ツムラ 温泉科学プロジェクト
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HOME 温プロライブラリ Vol.2 紅葉の秋 体の赤信号 〜その2〜
毎日の献立に薬膳を。 効く温泉に効く料理 本格的薬膳教室
 日本でもずいぶんと「薬膳」という言葉を耳にするようになりました。しかしまだ「薬膳」というと特別な食材を使った料理と思われがちなようですが、そんなことはありません。私たちが日常使っている食材を、体調や体質に合わせて正しく使うことから「薬膳」はスタートします。
劉 海洋 監修 劉 海洋
(りゅうかいよう)/
辰巳 洋(たつみ なみ)
北京中医学院(現、北京中医薬大学)中医学部卒業。元、中国中医研究院(北京)主治医師。元、「中国中西医結合雑誌」(北京)編集者 現本草薬膳学院学院長
http://www.gkt.co.jp/890/
CONTENTS
薬膳の基礎知識 それは「おいしい」が大前提! 季節の薬膳 10月 紅葉の秋 体の赤信号〜 薬膳の献立  〜「温陽補気」「滋陰潤肺」に基づいて行います〜
薬膳の基礎知識 〜それは「おいしい」が大前提!〜
写真

 前回は基本概念「食用」「食療」「食養」そして「薬膳」について解説いたしました。今回はその基本概念をふまえ、体質別に何を食べたらよいのかを紹介していきます。
 薬膳は体によくておいしい料理です。正しく理解して毎日の献立に役立てください。
生活環境、食生活及び体質の関係
 季節や場所、時間に応じた食事を取ることを「食用」と呼びます。この概念の範囲を広げていくと、生活環境の違いによる食生活、そこからなる体質、起こりやすい病気の傾向がわかります。
方向 生活環境 食生活 体質 病気
東方 海浜 魚、塩 黒い;キメが粗い 熱中、傷血、癰瘍
西方 砂漠・鉱石、海抜が高い、風がよく吹く、住・居の追求が簡単 乳製品、肉類 筋肉が肥厚で丈夫 外感病が少ない、飲食所傷、房室労倦
北方 気候が寒冷、海抜が高い、野外生活が楽しい 乳製品 内臓の冷え 脹満
南方 陽光が充足、炎熱、海抜が低い、霧露集聚、湿気が多い 酸味、発酵したもの 赤い;キメが細かい 筋骨の痙攣、痺れ
中央 海抜が平坦、潤い、万物生長 豊富 労働が少なく、気血循環が良くない 痿痺、厥逆、寒熱
各不良体質の特長
 身体がだるい、冷え性、眠れないといった様々な体質、体調については、薬膳のルールに基づいた8つのタイプに振り分けられます。
体質 体型 顔色 好み 自覚症状 大小便 舌象 脈象
陰虚 痩せる 午後潮紅 冷たいもの 口乾、少津、盗汗、五心煩熱、睡眠少 大便乾燥小便黄色 舌紅少苔 細数
陽虚 浮腫み 顔色淡白、
唇淡
温かいもの 冷え、自汗、疲労 大便不調小便清長 舌淡胖 沈、
無力
血虚 疲れ 顔色蒼白
あるいは萎黄、
唇淡白
温かいもの 不眠、多夢、眩暈、動悸、痺れる 便秘しやすい 舌淡苔白 細無力
気虚 消痩、肥満 顔面こう白 温かいもの 自汗、疲れ、健忘、声が小さい、息切れ 下痢・便秘 舌淡苔白 虚弱
陽盛 丈夫 顔色赤 冷たいもの動きが好き 声が高い、
呼吸が粗い
大便臭い小便熱赤 舌淡苔黄
血お 弱い 暗い皮膚青紫   肌は乾燥、疼痛、腫塊、小腹硬満、脇痛 大便黒い 舌紫暗お点 細渋
痰湿 肥満 顔色萎黄、浮腫み、唇淡白 油っこいものが好き 疲倦、眠い、身体が重たい・たるむ、
口中粘賦
下痢 舌、体、胖大、苔滑賦 濡、滑
気鬱 消痩、肥満 顔色が蒼暗
あるいは萎黄
  時々暴れる、時々鬱、ため息、胸悶 大便不調 舌紅苔白
各体質の特長、食生活、中薬、精神養生、運動、環境養生の関係
 ご自分の体質は把握できたでしょうか。これらの症状を改善させるためにも、おすすめの食品を積極的に取り入れ、体質に適した生活や運動を心がけてください。
体質 食生活 精神養生 環境養生 運動
おすすめ 控えるもの
陰虚 滋陰潜腸:胡麻、糯米、蔗、蜂蜜、乳製品、野菜、果物、豆腐、魚類、燕の巣、木耳、ムール貝、亀、蟹、鴨 葱、生姜、大蒜、韮、薤白、唐辛子、鶏肉、羊肉 読書、競争性活動を控える、性生活を抑える 住まいは南向きに安静、夏秋に注意 肝臓を保護穏やかな活動: 太極拳、八段錦など
陽虚 壮陽:羊肉、鹿肉、鶏肉、えび 身体を冷やすもの:苦瓜、冬瓜、セロリ、豆腐、梨、リンゴ、西瓜、緑茶、生もの ストレスがたまらないようにする 保温、日光浴 日光浴、空気浴、体操、
気功など
血虚 桑椹、ライチ、松の実、黒木耳、ほうれん草、人参、豚肉、羊肉、レバー、スッポン、ナマコ、平魚 身体を冷やすもの:苦瓜、冬瓜、セロリ、豆腐、梨、リンゴ、西瓜、緑茶、生もの 過労しない、音楽、漫才、劇を鑑賞する    
気虚 糯米、粟、黄米、大麦、じゃがいも、山薬、椎茸、人参、大棗、豆腐、鶏肉、鵝肉、鶉、兎肉、牛肉、青魚、川魚 消化しにくいもの:生もの、脂っこいもの、大根、ごぼう     気功
陽盛 果物:バナナ、西瓜、柿野菜:苦瓜、トマト、レンコン、豆腐、春雨 辛いもの:唐辛子、生姜、葱、牛肉、鶏肉、羊肉、酒 怒るのを抑えるよう性格の訓練   運動:水泳、走る、球類、武術
血お 活血化お:桃仁、チンゲン菜、慈姑、黒大豆、酒、酢、山査 身体を冷やすもの:苦瓜、冬瓜、セロリ、豆腐、梨、リンゴ、西瓜、緑茶、生もの 鬱をしない、ストレス解消   循環をよくする: 舞踏、太極拳、八段錦、按摩
痰湿 健脾利湿、化痰?湿:大根、扁豆、黒慈姑、玉ねぎ、キャベツ、のり、くらげ、枇杷、銀杏、大棗、はと麦、小豆、蚕豆 脂っこいもの、酒、甘いもの、食べ過ぎない   湿気に注意、住まいが乾燥するところ 運動:水泳、球類、マラソン、武術、舞踏、
気功など
気鬱 少量の酒、行気:仏手、陳皮、オレンジの皮、そば、高梁、韮、茴香菜、大蒜、刀豆 消化しにくいもの 社会生活に積極的に参加する、
漫才、喜劇、音楽を鑑賞する良い性格を育む
  運動:旅行、気功など
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季節 の薬膳 〜10月 紅葉の秋 体の赤信号〜
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 10月に入ると、秋は晩秋を迎えます。暑熱の残る「温燥」から寒気を加えた「涼燥」へと変わり、冬の到来を感じるようになります。また、秋は収穫の季節。豊かな実りを、冬を過ごすために貯蔵をする時期でもあります。自然と同様、来るべき冬に備えて身体も養生するようにしましょう。
この時期の邪気には、下記のようなものがあります。
寒 邪:身体の気の巡り、血の循環に障害を与えます。
風 邪:1年中ありますが、この時期は変化が早いです。
この時期の身体 どんなことに気をつける?
   
 秋の後半は、肺を傷めやすい状態にあります。乾燥が「温燥」から「涼燥」へと変わり、水分不足の状態は改善されますが、「気」を傷める状態は進みます。風邪をひきやすくなり、冷え、咳、身体の痛み、皮膚の乾燥、しわが目立つようになります。一方で、腎の「蔵精」の働きが活発になり、
1年の疲れを冬の間に補い、春の肝の昇発のための精気を養ってくれます。
 身体の保温が大事になります。
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薬膳の献立  〜「温陽補気」「滋陰潤肺」に基づいて行います〜
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 秋の後半に入ると、献立を考えるにあたり「温陽補気」「滋陰潤肺」といった方法があげられます。今月の献立はどちらも、身体を温める力と潤す力の両方を持っています。
 早秋には刺激的な食物、葱、生姜、大蒜、唐辛子を控えていましたが、この時期から少しずつ取るようにしましょう。
「温陽補気」「滋陰潤肺」「潤肺健脾」によい食物
温陽補気、潤肺健脾に…
長いも、じゃが芋、人参、いんげん、椎茸、栗、蜂蜜、鶏肉、兎肉、牛肉、豚の胃袋、豚のまめ、胡桃、なまこ、穀類

滋陰潤肺に…
ほうれん草、人参、木耳、松の実、豚肉、烏骨鶏、鴨肉、ムール貝、牡蠣、蟹、烏賊、銀杏、向日葵の種、乳製品、バナナ、りんご、梨、キウイフルーツ、柿、いちご
鱈とスペアリブの地黄煮 山薬と鶏肉の炒めもの
   
材 料
(4人分):
スペアリブ200g、鱈150g、地黄、サラダ油大さじ2杯、葱白5cm、生姜5枚、
胡椒少々、塩小さじ1杯半、紹興酒大さじ1、片栗粉適量
   
作り方: @スペアリブを湯通してから、地黄、紹興酒、多目の水で2時間煮込みます。
A熱くした鍋にサラダ油を引き、葱白、生姜を炒めます。鱈は片栗粉をまぶし、両面を黄金色に焼いてから@へ移します。沸騰してから塩、胡椒を加えて出来上がり。
山薬は肺、脾臓、肝臓の働きを補ってくれます。
 
材 料
(4人分):
山薬200g、鶏ささみ100g、枸杞子6g、葱白5cm、生姜5枚(皮はむかない)、
塩小さじ1杯半、紹興酒小さじ1杯、サラダ油大さじ1杯、ごま油小さじ1杯、
片栗粉少々
   
作り方: @山薬は皮をむいて薄切りに、葱白と生姜はみじん切りにします。枸杞子は戻しておきます。
A肉は薄く切り、塩、紹興酒、片栗粉で下味をつけておきます。
Bサラダ油を熱くし、葱白、生姜を炒めてから肉を加えます。
C最後に山薬、枸杞子を加え、塩、ごま油で調味します。
   
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