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Vol.4 薬膳の起源
日本でもずいぶんと「薬膳」という言葉を耳にするようになりました。しかしまだ「薬膳」というと特別な食材を使った料理と思われがちなようですが、そんなことはありません。私たちが日常使っている食材を、体調や体質に合わせて正しく使うことから「薬膳」はスタートします。
監修
劉 海洋
(りゅうかいよう)/
辰巳 洋(たつみ なみ)
北京中医学院(現、北京中医薬大学)中医学部卒業。元、中国中医研究院(北京)主治医師。元、「中国中西医結合雑誌」(北京)編集者 現本草薬膳学院学院長
http://www.gkt.co.jp/890/
1回目に話したように、薬膳とは、中医基礎理論に基づく、身体の調子を良くする食材と中薬を用いて疾病の予防、老化の防止、健康を維持する目的のために作った料理のことです。これらを研究する学問が薬膳学と言われています。
1.原始社会のはじめ
生きていくために人々は、天然の石や木の棒のような簡単なものを利用して、動物を狩猟し、植物を採取して生活していた。食物を探す過程中に治療作用がある食物を見つけ、食材として使いながら、それぞれが一定な治療作用を持ち、いくつかの種類を相互配合することによって、治療の効果が得られることがわかっていた。何回も何回も繰り返し使ううちに、食、薬として分けて使われるようになったものと、薬の効用を併せ持った食材として薬食療法で用いられるものが誕生した。
火を利用できない時代には、何でも生で食べたので、中医営養学も、薬膳学もなかったが、火の利用法を知ったことで、原始人たちは飛躍的進歩をすることになり、飲食営養学のはじめとなった。
2.夏禹時代(BC2205〜BC2198年)
夏禹時代に、儀狄(ぎてき)という人物が酒を造りはじめる記載があった。その時代に酒が行事や飲用、治療によく使われたことは、大量な青銅器の酒器が掘り出されたことから証明されている。現代、薬膳、中薬にも酒は活血化お、体を温める働きがあるのでよく使われている。
3.商の時代(BC1600〜BC1100年)
宰相を務める伊尹(いいん)が、君主に「陽朴の姜、招揺の桂」のように生姜と桂枝の薬効特徴の説明をし、『湯液経』という本を書き、煎じる湯液を作りはじめた。
4.西周の時代(BC1066〜BC771年)
食医の職が設置される。仕事の内容は飲食を調和し、営養の管理、疾病の予防、四季の献立を立てる、といった君主に務めるもっとも重要な職だった。当時の飲食、保健が成熟したことを明示されている。
さらに、酢、味噌、醤油、豆?などの製造もこの時代からはじめ、営養学には大きな発展と飛躍となった。
5.東周〜春秋戦国〜秦の時代 (BC770〜BC168年)
この時期に書かれた『黄帝内経』の「素問・藏気法時論篇第二十二」に“毒薬攻邪、五穀為養、五果為助、五畜為益、五菜為充、気味合而服之、以補益精気。”という言葉があって、営養のバランスを強調した。『黄帝内経』は中医学の理論の基礎を作った。と同時に、飲食生活を指導する役目もはたしていた。
6.漢の時代(BC246〜220年)
中国で最初の薬学の専門書『神農本草経』が出版された。本の中に365種類の薬物を「上薬」・「中薬」・「下薬」の3種類に分けて詳しく説明している。例えば、“上薬一百二十種、為君、主養命以応天、無毒。多服、久服不傷人。欲軽身益気、不老延年者、本上経”と書いてあり、地黄、白朮、麦門冬、?苡仁、黄耆など今日でも薬膳によく使う食薬がある。神農が「1日72の種類の毒にあたって、お茶によって助かった」の伝説から茶の解毒作用を発見し、茶を中薬の中に収めている。
「医聖」と言われる張仲景が、『傷寒雑病論』に当帰生姜羊肉湯の冷えの改善と百合鶏子湯(百合7枚、鶏子1個)によって「食欲がない」、「不安」といった状態を改善する有名な薬膳の処方を出していた。
7.南北朝時代(420〜580年)
南朝の陶弘景が『本草経集注』に初めて薬物を8種類に分類し、その中に果、菜、米を食療食物に属することを明記している。この時期に中国の茶を東南アジアに輸出する記録があった。
8.唐の時代(621〜907年)
孫思?(そんしばく)が書いた本である『千金異方』と『備急千金要方』は、多くの中薬と方剤および食事に関することが記載されている。その中に羊のレバーを利用して目の疾病を改善することが書かれており、臓を用いて臓を養う療法が確立した。同書には「食治篇」があり、果実、野菜、穀類、鳥獣虫魚の4章に分類されている。一番古い営養療法の専門篇となった。
孫氏の弟子の孟?(もうしん)は『備急千金要方・食治篇』をもとにして、食物である薬を補強し、138種の薬膳の処方を『食療本草』に編集した。この本は最初の食物療法の専門書。
陳士良は『食性本草』を書いた。本に食物の性味、効能、使い方、用法などについて、比較的に詳しく述べた。
陸羽氏が世界で初めて茶の専門書『茶経』を書いた。本の中を上・中・下の3巻に分け、茶樹の性質、茶葉の品質と土壌の関係、茶の作り方、道具、茶の種類、煎茶・飲茶の器具などを源・具・造・器・煮・飲・事・出・略・図の10節に収めているので、「茶聖」「茶神」と言われた。同時代の張又新という人物は『煎茶水記』を書いて、世界に初めて茶の美味しさと水との関係を強調した。
この時期より食療は独立な学科として発展しつづけている。
9.宋の時代(960〜1276年)
『太平恵民和剤局方』とは、中国医学の歴史の中で初めて国家により作られた中薬と方剤の専門書である。その中に、『食治門』が設けられ、28種類の疾病に対する食療の方法が書いてある。例えば、牛乳で糖尿病を改善する。黒豆の粥でむくみを治療するなどが記載されている。
10.金元時代(1116〜1366年)
金の時代(1116〜1228年)の本『寿親養老書』に“善治薬者不如善治食”が記載されている。その意味は、食物に関する知識を知り、調合して使えば、効果は薬より何倍もあるので、よく薬を使う人より、上手に食を利用する人の方が良い、という意味である。
長い間の実践と結果を通じて薬用が目立つものと、営養価地の高い物とに分かれ、「中薬」と「食物」に分類された。
モンクル人が欧亜を支配したことによって、各民族の食文化の交流を発展させた。宮廷の太医に務めた忽思慧が『飲膳正要』を書いた。この本は今までの食療から営養保健に注目し、営養によって疾病を予防することを強調したので、中国では最初の営養学の専門書となった。その飲食習慣によって肉類について詳しく説明していった。
11.明の時代(1368〜1642年)
李時珍が『本草綱目』を書いた。本中に薬:1892種、方剤:11,000余りを載せているが、多くの食療と薬膳の内容が含まれ、後世に豊富な資料を提供している。例えば、薬粥が42種、薬種75種があるそうだ。
12.清の時代(1644〜1910年)
この時代に、食療が重視され、多くの食物と本草に関する本が整理、出版された。趙学敏が『本草綱目拾遺』を出版して、716種の薬が新たに増加した。曹慈山は『老老恒言』を書いた。そこには老人のために100種の薬粥が集められている。
13.中華人民共和国(1949年〜)
解放してから、中医薬に関する整理、開発、研究が新しい局面を迎え、特に健康志向を重視すると共に、中医営養薬膳学もさらに展開された。
1997年、国家から中医薬教育に中医養生康復専門が正式に許可された。これで、中医営養薬膳学の発展を促進することとなった。
中医営養薬膳学は、上古時代の発生、発展、商・周時代に官制の設立、唐の時代の熟成、明・清時代の完善、近代に完成した長い道を辿ってきて、独特な中医営養薬膳学が形成されました。
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材 料
(4人分):
糯米30g、米30g、粟15g、甘栗30g、小豆25g、松の実5g、黒豆15g、新鮮な百合30g、蓮の実15g、胡桃15g、大棗10個、蜂蜜10g、水1200ml
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作り方:
@蓮の実、小豆、黒豆、大棗、水500mlを火にかけ、半熟まで茹でます。
A糯米、米、粟、水を@に入れ、強火から弱火にし、粥を30分間炊きます。
B残った材料を全部入れて10分くらい煮てから、蜂蜜と混ぜて食べます。
中国の正月(旧暦の毎年1月末から2月の始め)に必ず食べる料理です。
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材 料
(4人分):
鶏(中)1羽、山芋30g、枸杞10g、棗5個、葱3cmの長さで5本、生姜千切り6g、紹興酒大さじ3杯、醤油大さじ3杯、胡椒少々、塩少々
たれ:醤油大さじ3杯、黒酢小さじ2杯、ごま油小さじ1杯
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作り方:
@鶏を洗い、湯通しして水を切ります。山芋は皮を剥いて一口大に切っておきます。
A容器に鶏を上向きに置き、熱いうちに紹興酒、醤油を表面と内側にも塗り、材料、調味料の順に中に詰めていきます。
B蓋をして蒸し鍋に入れ、強火から中火で1時間蒸します。食べるときには身をほぐし、たれをつけても、そのままでも美味しくいただけます。
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材 料
(4人分):
牡蠣5個、卵2個、みじん切りにした葱5gと生姜3g、紹興酒大さじ1杯、塩小さじ2/3杯、胡椒少々
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作り方:
@牡蠣を湯通しします。
A卵はボールに割り入れ、よく混ぜてからほかの材料を加えて混ぜます。
Bフライパンを熱くし油を引き、Aを入れて両面を焼きます。
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