由布院の町じゅうで豊富に温泉水が湧き出しているが、町の外れにある湖の中からも温泉水が湧出している。金鱗湖という、湖というよりは神秘的な沼といった雰囲気の場所だ。寒い時期には湖面から湯気が上がり、由布院の名物とされる朝霧の発生源にもなっている。訪れたこの日は、さすがに雪の降りしきる中、湖面からはもうもうと湯気が立ち上っていた。もともとは由布岳のふもとにある池ということで「岳ん下ん池」と呼ばれていたそうだ。そしてこの金鱗湖のほとりに有名な「下ん湯」がある。
かやぶき屋根の小屋は新しい建物で内部もたいへんにきれいだ。200円の入湯料を入口の箱に入れる無人の公共浴場である。混浴で、中には浴槽が2つある。入口の反対側は壁がなく外に開かれており、1つの浴槽は半分外にはみ出したようになっている露天風呂だ。
由布院には他にも味のある共同浴場が何カ所かある。もう1カ所たずねのは、西石松地区にある「加勢の湯」。地元の人は「石松の湯」などと呼んでいるようだ。入湯料100円の無人の浴場で、建物は木造平家建ての相当に古いものであることが分かる。すきま風が吹き込むような建物だが、温泉が豊富に湧き出していて室内は温かい。しかし、地元の人でないとちょっと場所は分かりにくいし、入るにも勇気がいるかも知れない。この日は雪の中、近所の女性が入りに来ていた。
由布院の町は古くから温泉に親しんで来たために、このような情緒あふれる共同浴場があり、一方で洗練された宿泊施設や美術関連施設が充実している。
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下ん湯:風情のあるかやぶき屋根が特長 |

加勢の湯:
非常に古い木造建築。
知らない人はこれが
共同浴場だとは気づかない |

加勢の湯の室内:
温泉水の熱気で室内は温かい
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