十和田八幡平国立公園は、十和田湖を中心にした十和田地区と、山や高原を中心にした八幡平地区から成り立っていて、総面積は約883平方キロメートル。火山地帯特有の地形によって、大自然のさまざまな姿を見せている。

標高の高い場所ではこの季節でも
夏草の中に残雪が認められる。 |

これは残雪ではなく火山性の物質が
地表に露出している様子。 |
十和田湖の歴史は、今から20〜30万年前の火山活動から始まる。噴火によって富士山型の成層火山がまず出現した。この火山は噴火を繰り返すうちに大きく陥没して、長い年月のうちにそこに水がたまり、その後も新しい火山ができて陥没するが、やがて火山活動は休止して周囲が緑に覆われるようになった。水がたまったところが湖となり、ここから奥入瀬渓流が流れ出すことになる。渓流は東へ流れて太平洋に注ぎ、深い森林があたり一帯に広がるようになった。

十和田湖から流れ出ている奥入瀬の渓流。
この日はやや増水していた。 |
面積約60平方キロメートルの十和田湖は、水深が約327メートルで、田沢湖、支笏湖(しこつこ)に次ぐ日本で3番目に深い湖だ。湖面の標高は401メートルと高い場所にあり、流れ出る奥入瀬川の途中には急な滝があるので、魚が登って来ることできず元々は魚がいなかった。今は、明治の初め頃にヒメマスが移入されて養殖が行われているが、周囲から隔絶されたような、神秘的な美しさのある湖だ。
十和田湖からの水の出口は、東側の「子の口(ねのくち)」という地点で、ここから奥入瀬川の渓流が流れ出ている。子の口から支流の蔦川と合流するあたりまでの約14キロメートルが、渓流としての美しい姿でよく知られている。そしてその合流点にあたるのが焼山(やけやま)と呼ばれる場所だ。 |