
ゆるやかな谷川を目の前に
欧風建築がしっくりと落ち着く。
浴室棟も木材を
ふんだんに取り入れた造りになっている。 |
四国の真ん中を走る四国山地。その一角にある工石山(くいしやま)という山を背にして、目の前にはおだやかな渓流の鏡川を臨む立地に土佐山温泉は湧き出ている。この場所の空気が良いことは、初春の晴れ渡った空を見ても、風のにおいをかいでもすぐに分かる。
さっそく日が高いうちに入浴してみる。浴場はエントランスのある棟から渡り廊下で
つながった別棟にある。泉質はふっ素イオン・メタほう酸という。無色透明で刺激がなく入りやすい。
露天風呂からの眺めで目に入ってくるものは、ひたすら周囲の山と空ばかりだ。南国といわれる高知だが、市街から山へ入ってくると空気もだいぶひんやりとしている。湯舟に入って、気ままに上がって板敷きの上で深呼吸をして、また湯舟に入る。何度か繰り返すうちに、だんだんと自分が日常から遠ざかっている実感が湧いてくる。温泉の温熱効果によって血行が良くなっている実感とともに、心理的にも解放されてくることが感じられて、
転地効果がいかに温泉の効果の中でも大きいものであるかがはっきりと意識される。
屋根のない露天風呂は、顔を上げれば空の広がりをいっぱいに感じられるのがすばらしい |