もともとは1200年ほど前に温泉として開かれたのが始まりだといわれているが、それは現在の場所ではなく、山の麓に湧いていた。それが、永承年間(1046〜53)に地震が起きて源泉が閉ざされてしまい、行き場のなくなった湯が、七尾湾内に噴き出し、珍しい海中の温泉となった。
海に湯が噴出したことが人間に分かったのは、シラサギが海で羽を休めている姿を、村人が目撃したからだという。その姿はまるで人が沐浴をしているようだったといわれている。初めは、潮が引いた時に湯をくみ上げて使っていたものが、七尾の城主畠山氏や加賀藩の前田氏が徐々に整備し、明治になって山を開いて、さらに旅館などに内湯が引かれるようになって、現在の温泉街になったそうだ。また、1963年にはボーリングによって新しい源泉も発見された。
現在の七尾の海はとても静かだ。能登半島が日本海を、あたかも左腕で抱えるように包み込んでいるが、その中でさらに包み込まれているのが七尾湾だ。七尾湾には能登島が浮かび、湾内は北湾、西湾、南湾に分かれている。この西湾をすぐ目の前に見て、和倉温泉の温泉がある。良泉が湧き出ている他に、風光明媚というのは、温泉の条件としては最高だろう。 |
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