東北地方の大脊梁(だいせきりょう)山脈、奥羽山脈が山形県と宮城県を分ける中心は、標高 1841m の火山、蔵王山だ。この蔵王から真西に向かって、広い裾野をひたすら下ってくると、やがて東北本線・新幹線と、須川が通る谷にぶつかる。そして、須川の対岸にあるのがかみのやま温泉だ。
この地は、羽州街道の要所なのだそうで、かつては 3 万石の城下町でもあり、町の中心には再建された上山城がある。しかし、何といっても山形県内はもちろん全国でも有数の名湯の一つとして知られている。
上山市内には、城下町として古くから栄えていた湯町、それに新湯と、比較的新しく開けた高松、河崎、葉山などのいくつかの温泉地があり、これらを総称し駅名ともなっている「かみのやま温泉」と呼ばれている。
発祥とされているのは湯町。かつては鶴脛ノ湯(つるはぎのゆ)と呼ばれていて、その名の由来となる伝説がある。温泉発見伝説の類型の中では例が多いと思われる鶴にまつわるものだ。室町時代、旅の僧が沼地に湧く湯に足を浸す鶴を見たという。鶴は数日で脛(すね)の傷を全快させて飛び立ったといい、これが温泉発見のきっかけになったそうだ。この場所は、現在も源泉として残っていて、街路の一画にちょっと神秘的な雰囲気のある場所となっている。

かみのやま温泉発祥の源泉。
鶴が足の傷をいやした伝説がある。
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