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処方化の目処はついたものの、実際に商品化するとなると、どこの温泉地を選べばよいのか、またしても大きな壁にぶつかった。
連夜に続く討議。当時の研究部門は静岡県藤枝市。そして商品企画部門がある本社は東京。商品企画部門の開発者は、静岡で徹夜で話し合い、始発の新幹線で東京の本社へ出勤する。そんな日が続いた。
その結果、ツムラとしての温泉地の選定条件を決定した。
それは、
1.入浴剤で使える成分で構成されている温泉。
2.一般的に名湯と言われている温泉。
の2つの基準だった。シンプルと言えばシンプル。しかし、誰にでもわかりやすく納得できる基準だ。1.の成分に関しては研究者がプロとして判断すればよいが、2.については「初めて世に送り出す商品なのだから、まず、誰もがわかる王道から始めよう」という思いがあった。
とはいえ研究者も人の子、それぞれの好みもある。自分の推奨する温泉地を挙げて、またもや喧々諤々の日々が続いた。
そして、ようやく「作並」「箱根・熱海」「古奈」「濁河」「白浜」の5温泉に絞り込んだのだった。
「ツムラ 日本の名湯シリーズ第一弾」のアイテムが決定した瞬間である。
温泉地が決まれば、あとはその分析表を元に処方を組めばよい。一つ一つハードルをクリアしていって、そろそろゴールが見えそうな気分に誰もがなっていった。 |