ツムラ 温泉科学プロジェクト
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HOME 温プロライブラリ 「日本の名湯開発物語」 第4回 温泉地選びと処方化
スペシャルコンテンツ/「日本の名湯開発物語」/2006年に発売20周年を迎える「日本の名湯」、発売開始から現在に至るまでの開発秘話を一足先にご紹介!
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温泉地選びと処方化
「ツムラ 日本の名湯シリーズ第一弾」アイテム決定

 処方化の目処はついたものの、実際に商品化するとなると、どこの温泉地を選べばよいのか、またしても大きな壁にぶつかった。
連夜に続く討議。当時の研究部門は静岡県藤枝市。そして商品企画部門がある本社は東京。商品企画部門の開発者は、静岡で徹夜で話し合い、始発の新幹線で東京の本社へ出勤する。そんな日が続いた。
その結果、ツムラとしての温泉地の選定条件を決定した。
それは、
1.入浴剤で使える成分で構成されている温泉。
2.一般的に名湯と言われている温泉。

の2つの基準だった。シンプルと言えばシンプル。しかし、誰にでもわかりやすく納得できる基準だ。1.の成分に関しては研究者がプロとして判断すればよいが、2.については「初めて世に送り出す商品なのだから、まず、誰もがわかる王道から始めよう」という思いがあった。
とはいえ研究者も人の子、それぞれの好みもある。自分の推奨する温泉地を挙げて、またもや喧々諤々の日々が続いた。
そして、ようやく「作並」「箱根・熱海」「古奈」「濁河」「白浜」の5温泉に絞り込んだのだった。
「ツムラ 日本の名湯シリーズ第一弾」のアイテムが決定した瞬間である。
温泉地が決まれば、あとはその分析表を元に処方を組めばよい。一つ一つハードルをクリアしていって、そろそろゴールが見えそうな気分に誰もがなっていった。

まだそれだけじゃ入浴剤は作れない
集めたガイドブックや写真
集めたガイドブックや写真

 ところが、である。
「処方は組めても、まだそれだけじゃ入浴剤は作れないですよ」
ポツリと言ったのは、研究で調香を担当していた綱川だった。そう、入浴剤をつくるには、色と香りが重要な要素となるのだ。
とくに今回は温泉入浴剤だ。温泉の効果の中で、泉質や湯温、浮力などのほかに、「転地効果」(温泉地に行くこと自体が、気分転換につながり療養効果が得られる)というものがある。その効果こそ、色と香りでカバーしなければならないものだ。カバーというよりは、色と香りでしか表現できない、非常に大切な要素となってくるのだ。
それまで、入浴剤の色といえば、バスクリンのような「グリーン」が主流であった。こうした「主流」という考え方そのものから変えなければいけないのかもしれない。
「頭の中をまっさらにして、自由に考えてみないか?転地効果つまり気分転換を助けるものを作るのに、ガチガチの頭で考えていたって仕方がないよ」。
「それじゃあ、みんなでそれぞれの温泉地のイメージを膨らませてみよう。写真とか情報を集めてみようじゃないか」
早速、観光ガイドや旅行ガイド、写真集などその温泉地のイメージが伝わってくるものを買い、観光協会に電話をして情報を集めた。

イマジネーションをプラスして
ファイリングされた資料

 温泉の湯は無色透明なものが多い。また香りも無臭のものが多く、あったとしても今度は香りというよりは「匂い」に近い強烈なものになってしまったりする。
やはり、温泉の転地効果を狙うには、誰にとっても心地よいものにしなければならない。こうなると、イマジネーションの世界である。
そこで温泉地ゆかりの特産物や環境などをあげてイメージを膨らませていった。山ふところの温泉なら木々の深い緑や香り、海に近い温泉なら海の水の色や潮騒、そして川辺の温泉なら清流のイメージなど。写真に写っている湯の色も大事な要素だった。
今でこそ笑い話だが、潮騒の香りを求めるために「昆布だし」、お茶のイメージを出すために「お茶の葉」を取り寄せたりもした。常識にこだわってはいられなかった。ヒントとなるものはなんでも試したのだ。
こうしたイメージを膨らませる作業の結果、たとえば、「箱根・熱海」はみかんの香りとみかん色。「白浜」は、潮の香りと写真に写る露天風呂のお湯の色、といったように設定していった。
色と香りが加わった試作品が、今、目の前にある。
ようやく温泉入浴剤が完成した!拍手こそ起こらないが、皆が満足し、ほっとした瞬間であった。
「さあ、自信の作品を見てもらおうじゃないか!」

※日本の名湯は、温泉と全く同一というわけではありません。
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