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「よし、これでOKだ!」
出来上がった温泉入浴剤のサンプルを、喜び勇んで経営トップに届けた。あとは商品化の指示を待つばかりだ。スタンバイはできている。ワクワクとした気持ちで待った。
ところがどうしたことか、待てど暮らせどOKがでない。自信はある。何がいけないのだろうか?イライラしながら回答を待ったが、なしのつぶてである。
皆で頭をひねって考えていると、誰かが言った。
「あれで温泉入浴剤だってわかったかな?」
研究側としては自信満々であったがゆえ、出来上がったサンプルをそのまま勇んで経営トップに送った。
それを受け取った経営トップにしてみれば、単に「色と香りの変わった入浴剤」でしかなかったのだ。「確かに色も珍しいし、香りも今までにないものだけど、でもこれは何のためのものなの?」当惑する経営トップの顔が見えるようだ。
しかし当惑して当然だった。まだ温泉入浴剤は完成していなかったのだ。 |