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HOME 温プロライブラリ 「日本の名湯開発物語」 第10回 濁る温泉を作る夢
スペシャルコンテンツ/「日本の名湯開発物語」/2006年に発売20周年を迎える「日本の名湯」、発売開始から現在に至るまでの開発秘話を一足先にご紹介!
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濁る温泉を作る夢
衝撃的なデビュー!日本の名湯開発で花開いた白濁の湯

 第1回目リリースの翌年、1987年9月、その商品は衝撃的なデビューを遂げた。
「日本の名湯 登別カルルス」と「日本の名湯 山代」。
白濁した湯。
それはそれまでの入浴剤にはなかった。どうしても実現したい開発者たちの夢だった。今でこそ当たり前のように白濁する入浴剤が発売されているが、最初の一つが実現するまでには長い長い道のりがあり、それがやっと日本の名湯開発で花開いたのだった。


現在の日本の名湯にごりタイプ(アソートパックを除く)
夢の成功の日は唐突にやってきた

乳白色の「登別カルルス」

 白く濁る湯、それはツムラに限らず入浴剤開発担当者にとっては夢の商品だった。
濁るという原理を考えつつ、入浴剤としてよいものを作らなければならないのは、実は至難の業だったのだ。濁らせるだけなら、油や界面活性剤を使えばよい。乳液の原理だ。
極端に言えば、絵の具だって牛乳だって白いものを入れれば瞬間的には濁るだろう。細かい空気を通して気泡を発生させても濁ったように見える。
だが、入浴剤の成分として適しており、しかも一定の時間が経っても沈殿せず、濁りを保つことができなければ、成功とはいえず、商品化はできない。「白く濁った湯は夢のまま終わるのか」そんなあきらめに似た思いを抱いたことも1度や2度ではない。


乳青色の「山代」

 しかし成功の日は唐突にやってきた。
ある若手の研究員が「できました!」と谷野や綱川の元に飛んできたのだ。勇んでバスタブのある研究室に行ってみると、確かに浴槽の湯は白く濁っている。しかも一定時間を経ても濁り方に変化はなく、色も変わらない。「いろいろやっていたらある日突然出来た、というのが本当のところ」と谷野は笑う。そこから、成分や濁りの調整、風呂釜の検査まで含め、発売までにまるまる1年を費やした。
 白く濁る入浴剤はできた。さあ、今度は白く濁る湯の温泉地の候補だ。日本の名湯シリーズの条件にあった「名湯」で、しかも白く濁る湯のイメージ。
さまざまにスクリーニングした結果、「登別カルルス」と「山代」に最終決定したのだった。
 実は「登別温泉」と「カルルス温泉」は厳密にいうと若干離れた場所にある別の温泉だ。日本の名湯では、カルルス温泉(透明)の泉質を採用し、「登別温泉」の白く濁った特長をあわせてつくった。だから「登別カルルス」。
 山代温泉の湯も実際は白濁していない。しかし開発担当の心の中には、北陸の短い夏の印象が強烈に残っていた。太平洋側とはまた違う深い青空。そこに浮かぶ真っ白な雲。登別カルルスの白濁が雪の白のイメージの乳白色なら、山代の白濁は深い青い空と雲の白さを反映した乳青色。同じ濁りでも、その発端となったイメージはまったく違うものだった。
この2つの「濁り湯」の登場で、「日本の名湯シリーズ」は爆発的なヒットとなった。今でも「登別カルルス」は白濁した入浴剤の代名詞のようになっているし、登別の人々との交流も続いている。

ロングセラー商品を生み、そして今日も…

 その後も、日本の名湯シリーズはほぼ1年ごとにさまざまな改良やアイテムの入れ替えを行っており、延べアイテム数は15以上を数える。
現在発売中なのは、登別カルルス、十和田、乳頭、山代、箱根奥湯本、湯布院、道後、新穂高(アソートパック「ぬくもりの源泉」のみ)、龍神(アソートパック「ぬくもりの源泉」「こだわりの美人湯」のみ)の9アイテムだ。登別カルルス、山代は新発売以来20年にも及ぶロングセラー商品である。


現在の「日本の名湯ギフトセット」

 開発のための温泉探索の旅は、今日も続いている。20年の間に、メンバーも入れ替わった。若返りもした。だが、根本に流れる思想はずっと引き継がれている。
最後に日本の名湯の名称や香りや色のネーミングについて担当者はこう語った。
「詩を書くんですよ、それぞれの温泉をテーマにした。その詩の中から、言葉を練っていくんです」
なんともロマンチックな思いが開発の背景にはあったのだ。明日の「日本の名湯」のために、今日も開発者は日本中を駆け巡っている。

※日本の名湯は、温泉と全く同一というわけではありません。
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