
フランス観光開発機構 広報担当 佐藤由紀子さん
「世界の温泉紹介」、第2回はフランス共和国(以下文中ではフランスと表記)です。
ヨーロッパの地図を見ると、フランスが英仏海峡、大西洋、地中海に面し、海岸線の豊かな国であることがよくわかります。
今回はそんな海洋国ならではの「タラソテラピー※1」と、やはりフランスらしくワインに関係する「ワイン由来・葡萄由来のテラピー」、そしてお国柄がよく表れている「スパ事情」にフォーカスしてみました。
海洋資源を生かした「タラソテラピー」(海洋療法)は、今から、約110年前、1899年ブルターニュ地方を中心に本格的に始まりました。ブルターニュは、大西洋と英仏海峡(北極海につながる冷たい海)の海水が流れ込み、さまざまなミネラルが豊富に存在する海に面した地方です。
沖合いのきれいな海水を汲み上げ浴槽やシャワーで使うだけでなく、たとえば海泥や海藻でパックをしたり、ジャグジーやプールで運動療法を行うなど、海の恵みを存分に受けることができるテラピーです。もちろん海洋性気候もテラピーの要素の一つ。 海を中心とした自然の産物を利用して、美容だけでなく、病後のリハビリや老化防止などにも役立てています。ちなみに、タラソテラピーのthalassoとは、ギリシア語のthalassa(海)が語源です。
そして最近脚光を浴びているのが、ワイン由来・葡萄由来のテラピーです。ボルドーワインの産地アキテーヌ地方を中心に行われています。いかにもワインの国フランスの特色あるテラピーとして人気を得ています。 このテラピーでは、葡萄の木や実から抽出した成分を利用し、ボディトリートメントやパック、マッサージなどが行われたり、葡萄ジュースの風呂が用意されている施設もあります。また、テラピー施設周辺の葡萄畑など美しい風景を楽しむ転地効果※2も、このテラピーの魅力の一つです。
フランスでは、こうしたテラピーとともに、マッサージやエステティックといったリラクゼーション、またゴルフなどのレジャーを楽しむことも含めて「スパ・リゾート」とする考え方が浸透しています。さすがバカンスを大切にする国フランスですね。 日本でも温泉での「転地効果」が注目されていることを考えると、フランスのスパ事情はとても参考になります。
また、フランスのスパ施設の特徴の一つに「おひとり様」へのサービスが充実していることが挙げられます。「個人」を大切にするフランスではひとり旅も珍しいものではありません。
ですから施設のレストランなども、ひとり掛けのカウンター席が景色の良い庭に面して配置されているなど、少人数の旅行を楽しめるようなケアが行き届いています。これは日本にあるような団体旅行の習慣がフランスにはないということも理由でしょう。そしてもう一つうれしい情報は、テラピーの場合、それぞれのプログラムにのっとって食事も提供されるわけですが、さすが美食の国フランス。たとえテラピーでも食事がおいしいことは絶対条件。たとえばダイエットプログラムなら揚げ料理を蒸し料理にしたり、ソースを油を使わない素材に換えたりすることで、ダイエット食としての使命を果たしながらも、さすがフレンチ!というおいしさを損なわない工夫がされています。
また「町並みの美しさ」を楽しむこともフランスでのスパ利用には欠かせません。フランスでは「町並み」に対する意識が高く、一軒一軒の家も風景の一部であるという考えで美しい統一感のある町並みを維持しています。こうした取り組みは日本の温泉地でも始まっており、景色の美しさがリラクゼーション(療養)の大切な要素であることを知らされます。
フランスでも前回のチェコと同様、スパでは1週間、2週間という長期滞在が普通ですが、海外からの旅行者向けにスパと近隣観光をパックにした観光コースも整えられています。フランスでの「転地効果」をぜひ楽しんでみてください。
※1 テラピーとは、フランス語で、施療、治療のこと。英語ではセラピー。 ※2 転地効果 自宅から離れ日常生活とは異なった環境に身を置くことで、気分をリフレッシュさせたり、自律神経の働きが整えられる効果をいいます。→転地効果フランス観光開発機構(アトゥー・フランス ATOUT FRANCE)
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂2-10-9 ラウンドクロス赤坂ビル9F
電話:03-3582-6965
URL:www.franceguide.com









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